37/Pretense
OLYMPUS E-P5 × Summarit f=5cm 1:1.5
「あの時もっとやれたのに」「もっと出来たのに」なんていう漠然とした言葉、言うのはいつも簡単だ。そしてそんな漠然とした言葉しか出てこない時は大体その言葉に中身なんてない。
それでも過去を振り返って、まず心の中にその気持ちが浮かんでくる事は私の中では当たり前だ。
私は思えば大分早いうちからお仕事をさせてもらっていた。大勢の大人に支えてもらっていた。
失敗は今でも多いが、昔から、毎回毎回人生にちゃんと向き合っていけていたんじゃないかと思う。後から思えば準備不足だった なんてことは余裕でたくさんあるが、その瞬間瞬間で手を抜いた記憶はない。自分のポジションやお仕事に誇りを持っている。自分にポジションを与えてくれ、お仕事をさせてくれた人達には有難い気持ちでいっぱいだ。
だから、ある人をあるモノを、もう撮ることができなくなってしまったとしても、そういう意味での後悔は無くて。
ただ悲しいのは、その人の成長を知れないこと。これから先写真というものを使って一緒に時を刻むことが出来ないこと。