ファッションドキュメンタリー_____55
最近ファッション業界のドキュメンタリー映画にハマってまして
・ファッションが教えてくれること
・メットガラ
・ティファニー ニューヨーク5番街の秘密
・ディオールとわたし
中でも1番面白かったのは、
『ディオールとわたし』
〜〜あらすじ〜〜
2012年春。世界的に著名なファッションブランド、クリスチャン・ディオールの新デザイナーに就任したラフ・シモンズは、初のオートクチュール・コレクションを発表することになる。男性ブランドを展開し、ミニマリストとして知られたシモンズは、オートクチュールの経験が乏しいうえに、通常およそ半年をかけるコレクションを8週間で準備しなければならなかった。
フレデリック・チェン(Frederic Tcheng)監督による本作品は、トライベッカ映画祭で、コンペティションのオープニングナイトドキュメンタリーとして公開。ラフ・シモンズがディオール就任後、初となるオートクチュールコレクションの舞台裏を描いたドキュメンタリーは、数々の伝説に彩られたメゾン、クリスチャン・ディオールの世界へと観客を誘う。そこには、オートクチュールを支える多くの人々が、苦労を厭わず献身的に仕事に取り組む姿がある。
プレッシャーにさらされるファッション界の日常と、ブランドの象徴的な過去との不思議な共鳴を織り交ぜながら展開される映画は、ラフ・シモンズのビジョンを形にする職人たちへ、色鮮やかにオマージュを捧げる作品にもなっている。
ラフシモンズの苦悩、ラフシモンズの右腕 ピーターの心遣い、お針子さん達のお仕事に対する姿勢。
一切手を抜かないことが、やるべきこと。気にいる布地が出来上がるまで何度もチャレンジする。新しい挑戦には時間と労力がかかる。
チーム一丸となって一つのコレクションに取り組む様子が胸に響いた。
チーム戦である以上メンタルケアが必要になってくる。
多分最も精神的に不安定になっているのはラフであって、
スーツ部門の職長モニクとドレス部門の職長フロランスが彼をなだめたり、
またお針子さんたちを気遣って、ラフの名前でアトリエにお花を送るピーター。
ラフは、自分のクリエイションと大衆が抱く思いの差や
歴史あるファッションブランドに就任したことへの重圧に苦しむ。
クリスチャン・ディオールの生家に行ってみたり、本を読んだり、アートを鑑賞しに出かけたり、、、
お針子さんたちはお針子さんたちで、
初めて関わるラフの要望を、ラフの好みに合わせて作り上げなければいけない。
『私はディオールのために働いている』と誇りを持って働く姿に心が動かされる。
、、、というよりももう、お天道様が見ている、くらいの恐れみたいなものを感じてしまったなあ。
映画の前半部分と後半部分に分割されて出てきたこの文章が、すごく印象的。
(ディオール自身の言葉なのかな?調べても出てこないのでわからない)
(前半)
ついに闘う時が来た
私が私となって以来
私の先を歩く
もう1人の私がいる
彼と私には
闘うべき命題がある
彼はデザイナー
CDを率いる
クリスチャン・ディオール
1947年にメゾン設立
ディオールは1000の顔
1000の衣装とプレス写真
時には革命を起こす
無血革命だ
私はグランヴィルで生まれた
1905年1月21日だ
親しい友と過ごすのが好きだ
嫌いなのは雑音 世界の動乱
そして過激な変化
"それから55年後"
(後半)
私がもう1人の私と
勝負する時が来た
温かい目で彼を見守ろう
彼の役割は明快だ
使命を背負って
輝けるモードの最前線に立つ
だからモードは
躍動して生き続ける
私は彼の影の中に潜み
至福の時をたっぷり味わおう
わき上がる衣装のアイデア
仕事こそ私の生きる証だ
もう1人の自分を越えようとか取り込もうとかじゃなく、
もう1人の自分を認め、信頼して、自由にやらせようって考えがすごく面白い。
この映画のタイトル"ディオールとわたし"は、ディオールとラフであり、ディオールとお針子さんであり、またディオールとディオールなんじゃないかな。