23/STORYOFTHEGOODPHOTO






”写真を極める” ”良い写真”とはなんだろうか?




カメラを触ったことがある人はイメージしやすいとは思うが、カメラは基本、iso感度、F値、シャッタースピードの三つを調節して撮影する。もっと細かくいうとレンズ、ボディ、ストロボ、ピクチャーモードとかはあるけれど。

シャッタースピードを遅くして被写体ブレさせたりとか、絞りを開放にしてぼけ味を強くしたりとか。

三つの設定だけとはいえ、いろんな表現ができるとは思うけれど、正直その機械が出来ることは想像ができる、頭でシミュレーションできるものであると思う。




では、"写真を極める"”良い写真”とはなんなのか?














私の考えではまず、極める、という状態は存在しない。もしあったとしても、そう判断できるのは他者である。それは、”良い写真”も同じ。
”良い写真”とは、他者が判断することだと私は思う。






私の中で”良い写真"を撮れる人とは、
”物事の細かいところまで関心を持ち、愛情を持ち、瞬間瞬間を大切にし、伝えたいことを伝えられるように考え行動し続ける人”
であると思う。




「気持ちが強ければ上手くなる!」「より強く願っていればいつかきっと叶う!」とかって誤解をされてしまうかもしれない文章だが、ポイントは”愛情を持つ””考え続け行動し続ける”というところだ。



そもそも技術は、学び身につけたいという気持ちがなければ身につかない。つまり、気持ち、感情はすごく大切なものである。
精神論が根底にあり、それを持って努力する人が、良い写真を撮ることができる状態に近づくものだと思う。





そしてその”努力”は決して、
汗水垂らして体を動かす
精神的や金銭的に苦しむこと
でなければいけないわけではない。














カメラは、撮るものや撮る時間を勝手に選んではくれない、私達カメラを操作する人間が選ぶものだ。
私は偶然ってものを信じてはいないし、降りてくる系の天才ではもちろんないので、
物事に関心を持たないと発見はできない。
そして、瞬間瞬間を大切に思うこと。








私が人に「写真を教えてくれ」と言われそうしようとした時、単純に技術だけを教える、というのは不可能だと思った。
こちら側が相手のことを考えずに技術や知識を事細かにノートに書き、動画にまとめたりして渡すことは、教えるということではない。教えるというのは、相手が求めないと成立しない。そして教えなければいけないのは単純に技術ではなく、その技術を使うに至るまでの思考だ。そして感情。だからこれは人間形成の話だ。
















例えばそれは写真のデータの納品方法っていう一見単純なことにも言えることで、、、


例として、去年の一生青春フェス。
・アーティスト数二十組
・ステージ数は三つ
・前日準備と本番の二日間

この現場の納品方法
まず日付で二つに分ける
①20161001

オフショット


②20161002

①Aステージ
②Bステージ
③Cステージ
④オフショット
↓①Aステージの中
①バンドA
②バンドB
③バンドC.........


日付→ステージ→バンド出演順という順番での分け方。
ステージごとに分けないでおくと、どのステージに出ていたかわからなくなった時に確認しやすいから。
バンドを名前順でなく出演順で分けたのは、例えばブログで使いたい時に時系列順で書きやすくなるから。
オフショットを二日間で分けたのも同じ理由。この例で私が言いたいことは、相手のことを思ったり、それで何かをすることは基本の状態であるということ。





ただのテンプレートとしてこのフォルダ分けを覚えた人と、何を気にしたからこういう分け方にしたのかを知って学んだ人。

人を一人立たせて、「みんなはこの角度からこうライティングしてこう撮ってるから、そうしよう」と考える人と、「みんなはこの角度からこうライティングしてこう撮っているけれど、それはどうしてだろう?ここからこう撮ると他と何が違うんだろう?このライティングは本当に思い描いている完成形に近づくものなのか?」と考え、実行した人。

「集合写真は広角レンズで、Fはなるべく絞って撮るものだ」と思っている人と、「ここからここまで撮るならレンズは広角で、F8くらいかな」と考えた人。



その時撮られた写真が両者全く同じであっても、中身は違う。



















感情
(撮りたいという気持ち)
(対象への関心)
(相手に対する愛情)
(上達したい、とかっていう気持ち)
(↑※もっと綺麗な写真が撮りたい!とか、もっとかっこいい写真が撮りたい!とか、いろんな人に褒められたい!とか、初期衝動はなんでもいいと思う。)



感情があって初めて技術を学べる
(こういう写真を撮るにはどういう機材を使えばいいだろうか?)
(この人のこの魅力を伝えるにはどうしたらいいだろう?)
(どういう風に納品し、どういう文章を添えれば写真を受け取る人が不快な思いをしないだろうか?)




私が思う”良い写真”を撮る人は、このプロセスを基本として装備している人だ。









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