8/BottomlessNightDiver
私の話をします。
昔から音楽は大好きで、小学生の頃からtvkのsakusakuという音楽番組を毎日見たり、ライブハウスに連れて行ってもらうことが多かったです。音楽好きは親の影響ですが、スラッシュメタル好きは受け継いでいないです。
中学3年かそこらで、The Movie Archivesっていう最高にかっこいいバンドと出会い、そのバンドを撮っているカメラマンとも出会った。バンドの写真を撮る人がいることを初めて知った。
カメラマンに漠然と憧れを抱いたのはその時。
mixi全盛期だった時期の話。カメラ女子ってワードも出始めの時だったかな。
師匠のタツさんと出会ったのはそのだいぶ後。母親の好きなGARIってバンドを見に行った時にいたカメラマンがタツさんで、どんなカメラを買ったらいいか聞きたくて声をかけた。実際交流があったのは私がカメラを買ってもらってから半年後。
ちなみにTMAのカメラマンさんにはCanonを勧められ、タツさんからはNikonを勧められたが結局私はPENTAXを選んでいます。K-5はいいカメラでした。。。
実は、私とタツさんの間で、じゃあ君は今日から僕の弟子ですよ。とかって会話は一回もないです。
もっと正直に言うと、誰かの下でずっとやって行こうって気持ちはつい最近までなかったです。
私は、ずっとバイトを続けたままでもいいから自分の好きなバンドの写真を撮り続けていたかったし、それ以外にやりたいこともなかった。音楽中心の生活をしていきたいと思っていた。どれだけギャラが安くても、どれだけ予算を回してくれなくても。
そんな生活でやっていけないなんて、頭では十分理解していた。
タツさんと会うのは毎回すごく辛かった。
自分のダメな点、ダメだと考えもしなかったところがどんどん目に見えるようになっていく。一人の時でもそれを考える。考える。考える。。叱られ教え諭される。。自分が何もできず、なんの力にもなれないことを確認させられる。
すごく乱暴な、愛情のない書き方をしているけど、実際本当にこう思っていた。
でもなんでこの5年間投げ出さなかったかって言うと、多分逃げなかった記憶が欲しかったからだと思う。
すごく辛いけど、本当に辛いけど、これを頑張り続けたらいい大人になれるんじゃないか。私を育ててくれた親みたいに立派になれるんじゃないか。
今までお世話になった人、迷惑をかけた人、悲しい思いをさせた人に、何か恩返しができるんじゃないか。。その考えってすごく身勝手なものだけど、でも結局反省したところで、そういうのは態度でしか示せない。
振り返ってみると、熱量とか罪悪感とか、そういういろんなものを原動力にしていたのかもしれない。
でもこれは、自分の成長のために他人を犠牲にしたって見方もできる話。
いつか恩返しするから!とか、そもそも生きてれば必ず誰かに迷惑かけるし!って開き直るつもりは私は全くない。
私は周りに、"写真で食っていきたいんなら、これは確実に自分の身になるから辛くてもやりなさい!"なんて思っていない。というかそんなものない。やったからって幸せな未来が待っている保証もできない。
ただ、私にとっては、この辛いことを乗り越えた記憶は宝物になってる。
辛いことを食らっている当初はそんな希望なんて抱けなかったけど。
アシスタントから社員になる5年間はすごく長くてすごく短かった。
これからの人生の方がもっと長いだろうけど。
最近、私の元に二人、カメラマンとしてやっていきたいから教えてほしい!っていう女の子がいた。
その二人はライブカメラマンスタートの子。私とおんなじ。
現実的な話、音楽で、ライブの撮影だけで食べていくことは無理だと思う。
音楽っていう大きいくくりならば、ぎりぎりやっていけるかも。
ただその中でライブを中心に撮りたいんならその望みは叶いづらいし、固定のバンドでって言うならなおさら難しい。
長年別の業界で努力してある程度名前が浸透してきたところで音楽業界に戻ってきたとしても、自分の関わるプロジェクトにそれだけの予算を組んでくれる事務所はあるの?
だって音楽業界自体、お金がない。
でも私は、各々の望みを最大限に叶えられる方策を探したい。どれだけ辛くとも、その道の途中にその人の幸せがあるなら。
ちょっと話は逸れるけど私はこの5年間、カメラの技術だけを教わったことはほぼない。
だから技術だけを教えるやり方を私は知らないし、技術だけを教えれば伸びるなんてことは不可能だと思ってる。
だって、考えればできる。逆に言うと、考えられなければできない。
人間性が変われば撮れる写真も変わる。
さっきも書いたように、だからって耐えろとは思ってない。
人それぞれに、幸せの形は違う。
でもどんな幸せであれ、自分が欲した幸せは努力がつきものだと思う。
私の幸せは、いっぱい努力しないと得られる可能性は高くならないし、そうしたところで得られるかはわからない。
達観したような言い方は避けたいけど、本当にそういうものだと思う。
こういうの書くとやっぱりまとまらない。
考えろ って言いたかっただけだ。